2011年9月5日月曜日

2011年夏合宿《新聞紙タワーゲーム》in軽井沢

井上ゼミ8期の草野孝幸です。

前回の記事に引き続き、今回は2011年度井上ゼミ夏合宿で行われた
ゼミ恒例となりつつある知的遊びのレポートをお送りします!

まずは簡単に今回の夏合宿について紹介しましょう。
2011年度の井上ゼミ夏合宿は825日~27日の23日で、
長野県は軽井沢で開催されました。

避暑地としても有名な軽井沢はやはりこの真夏でも涼しく、
勉学に励む学生にとってはもってこいの場所です。

そしてこの合宿も3日目となり、井上ゼミ恒例の知的遊びを実施しました!
第二弾となる今回の知的遊びは…≪新聞紙タワーゲーム≫

新聞紙タワーゲームとは、
56人でチームを組み新聞紙を使って自立式タワーを作り、
他のチームとタワーの高さを競うゲームです。

一見すると簡単そうなこのゲームですが、
実はこの新聞紙タワー、高さを出すためには考慮しなければならない点がいくつもあり、
力点を置くバランスが求められる難しいゲームなのです。

まず、新聞紙という非常に弱い素材で自立するタワーをつくるため、
タワーが高ければ高いほどタワー自身の重みに耐える耐久性がなければなりません。

さらには、今回の新聞紙タワーゲームは屋外で行うため、
風の抵抗を受けづらい構造にしないとタワーがすぐに倒れてしまいます。

これ以外にも、この知的遊びは組織論の視点からも知的さが求められます!
一つ目は「分業」の視点です。
製作時間に限りがある中でもっとも高いタワーを作らなくてはいけないわけですが、
チームメンバー全員で手分けして色々なパーツを作り続けるのか
(これを水平的分業といいます)
それとも、パーツを作る人とパーツを組み合わせて
タワーを作る人でチームメンバーを分けるのか(これを垂直的分業といいます)
どのように分業して作業を行っていくのかが勝負の分かれ目になります。

二つ目は「意思決定」の視点です。
制限時間がある中、
どのようなタワーの形が良いのかの選択肢を全て吟味することはできないので、
思いついた選択肢の中で「これがもっとも良い形なのではないか」と思ったら
迅速に意思決定をして作業にとりかかる必要があります
(ちなみに思いついた選択肢の中でもっとも合理的な判断を行うことを限定合理性といいます)。

このように、新聞紙を使ってタワーを立てる簡単なゲームに見えるのですが、
頭をフルに使わなければ勝つことができない、知的遊びにふさわしいゲームなのです。

ルールを簡単に説明しましょう。
製作したタワーを自立させ、一番高いタワーを製作したチームが優勝です。
さらに、タワーのもっとも高い部分に卵を乗せて5秒間タワーが
自立し続けなければいけません。
制限時間は話し合いも含め2時間。
使えるものは新聞紙と8mのセロハンテープです。
ただし、新聞紙は11枚使用し、新聞紙を重ねて使用してはいけません。

次はチーム編成です。
個人の頭のキレは抜群だが若干協調性に欠ける人達で構成されるチームトゲトゲ、
おっとりした人達で構成されたチームふわふわ、
性別でわけたチーム(チーム男子、チーム女子)、
そして最後にチームワーク抜群、常に面白いことを追究する井上ゼミOBチーム6期の
5チームで競いました。
チーム編成でどれだけタワーの形など志向の仕方が違ってくるのかを見るのも
知的遊びの面白いところの一つです。

さあ、そして827日の晴れ渡る空の中、遂に戦いの火蓋が切って落とされました!
各班真剣にタワーの形を議論しています。

今回はチームふわふわの様子に注目してみましょう。
このチームは、風と卵の重みへの耐久性を考え、タワーの下が太くずっしりしたものが良いと判断し、
上に行くに従ってタワーを細くしていく、円錐のようなタワーを目指すようです。
チームふわふわ、迅速でかなり冷静な判断をしています。

そしてまずはタワーのパーツを作るため、新聞紙を丸める人とそれを留めるためにテープを貼る人で分ける水平的分業を行いました。



しかし、制限時間があるとわかっているのでしょうか、進む手がゆっくりですね…。

そして周りのチームがタワーを立てていく中やっと残り時間が少ないと気付いたのか、
パーツを作りながらもタワーを組み立て始める垂直的分業に移行しました。



電柱のようなタワーができていき、いざ立てようとしてここでトラブル発生。
タワーが重いのか自立しません!

しかしさすがチームふわふわ、けっして焦ることなく冷静に
支えとなる棒を4本製作してロケットのようなタワーへ設計を変更しました。

そしてここで制限時間の2時間が経過、製作は終了です。
各班のタワーはどうなっているでしょうか。

チームふわふわのタワー。ずっしりしています。



チームトゲトゲのタワー。三点でタワーを支えています。



これはチーム女子です。箱を作って積み立てたんですね!



チーム6期のタワーはとっても特徴的な形です。



さあ、そしていよいよ決戦です。
弱い風も吹く中、一班ずつタワーの頂上に卵を乗せて行きます。
まずはチームふわふわ、卵を乗せます。
がしかし、5秒持たずに倒壊!失敗です。

タワー製作後、タワーのバランスを調整する時間があまりとれなかったことが大きかったようです。
計画段階では思いもよらなかったことが製作中には起こるので、それに対処できるかどうかも知的遊びの頭の使いどころの一つなんですね。

そしてその他のチームは全て成功しました。

その中でもっとも高いタワーを作ったのは…チームトゲトゲ!
2m80cmという記録でした!



まるで東京タワーを彷彿させる、とてもきれいな形のタワーですね。
優勝要因を伺ってみると、
リーダー永山さんを筆頭として
メンバーの戦略のイメージがそろっており意見の不一致がなく、
故に作業へ移行するのも迅速だったために
タワー細部の設計まで考える時間があったことだとのことでした。
卵をタワーの頂上に置くための装置は原君のアイデアだそうで、斬新かつしっかりとしたデザインになっていますよね。

前評判では協調性に欠けると言われていたチームトゲトゲでしたが、
メンバーが同じ戦略のイメージを共有したとき個人の能力が最大限発揮され、
最高の結果につながったのでしょう!

これにて、新聞紙タワーゲームは終了しました。
皆でタワーの高さを競い合いながらも、普段勉強している知識や知恵を使って
タワーの形や製作方法について議論し、
自然と頭を使いながらタワーに工夫を凝らすというプロセスは本当に面白かったし、
日常では過ごすことのできない非常に有意義な時間となりました。

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